"Light Court"
TBS『世界遺産』BGM、cinq、オリエンタルホームワード等数々のエレクトロニカアーティストへのリミックス等をこなし、緻密な楽曲と優れた音楽性で内外から高い評価を受ける天才的電子音楽家Firo(フィロ)の、前作を遥かに凌ぐセカンドアルバム 『ライト・コート』遂に完成!
オーディオファイルの徹底的な加工/編集から紡ぎ出される神々しいまでの空間世界。電子音と神々の集う大都市の森林、四次元のアトリウム。
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ほんとうに良い音楽とは、それが鳴っている間は素晴らしい音楽が鳴っていることに気付く事がない。音楽が終わり消えてしまったとき、その音楽が素晴らしい物だった事にはじめて気付く。幸い音楽は思い出す事が出来るので、何度も追憶し刻まれて行く。こうしてほんとうに良い音楽は永遠のものとなって刻まれる。
Firoの音楽は、大切なひとの死に似ている。
優しい足音が近づいてくる。
冬の空、見上げると、無数の雪がフワフワと
チリチリとキラキラと光りながら舞い降りる。
雪が父の体温でそっとそっととけるかのように、
少年は穏やかに眠るのである。
Firoは、今、最も新しい手法で演奏する音楽家です。
音楽の感情を動かす力を良く知っていて、感動させられてしまう表現力も兼ね備えています。
Light courtはそんなFiroのセンスをまとめた作品です。
まずは緩やかで、そして広がる感じで深すぎない。
気持ち良い素材とエディット、おどろかされて、なのに気付かず展開していく…。
電子音楽は、とかく冷たく異端と思われがちですが、Firoの音楽がイメージになるべきです。
Firoの音に触れたのはPsysEx糸魚氏の運転する車の中、大阪から京都へ帰る高速でのBGM。
中低域を掻き消すエンジン音の隙間から僅かに聴こえてくるリズムの心地良さに時間を忘れてしまい、
改めて家で銀盤を再生した時に車中では聴こえなかった楽曲の魅力にリズムを忘れてしまいました。
コンピューターを使ったいわゆる先端的音楽であるのだが、70年代のクラスタ ーを思い起こさせるような叙情的、牧歌的な肌ざわりもあり、そのカットアッ プされた音の流れは、決して表面的なものではなく様々な表情を見せる。
コンピューターによる音楽の表現方法とその深みに触れることのできる貴重な1枚だ。