"Water Green"
ポスト・エレクトロニカの有力解釈として「電子音楽と空間」をテーマに活動を続けるレーベル・涼音堂茶舗が、レーベルネーム通り2003年の「涼しい音」をコンパイルした納涼CD。
桑原茂一も賞賛しスネークマンショーS21の音楽も手掛ける雪見茶人三人組スノーエフェクト、比叡山延暦寺等でも演奏する京都の最新鋭電子空間音楽ユニットサイセクス、スノーエフェクトの中心人物石川貴史、nobleから「Sketch」をリリースし高い評価を得るCinq、plopから1stをリリースしたKazumasa Hashimoto、カラフトの楽器トンコリで全く新しいアイヌ音楽を確立したOKIなど新しい感覚を持ったアーティストが参加。
先鋭アーティストがそれぞれの「涼しい音」を競演する、北方世界と海と東京を交易する、今までになかった切り口の納涼コンピレーションです。
清涼感満載のジャケットは、丸井ゼロワンショップのCFも手掛ける東京食堂の泉雄一郎が担当。
cinq(サンク)
スノーエフェクトの竹村理明によるソロユニット。京都在住の頃よりギタリストとしても活動し、2001年ミディのレーベルnoble
より『sketch』を発表、シンガー二階堂和美とのコラボレーションなど様々なスタイルでの活動で各界から高く評価される。
snowefffect(スノーエフェクト)
石川貴史、竹村理明、星憲一朗によって結成。「Powerbookとお茶」からスタートしエレクトロニクスと空間を追求する電子空間音楽ユニット。2001年にはニューヨークにてライヴを敢行。"zen-electro!"と評判を呼び、TBSラジオ『スネークマンショーs21』の音楽も担当。任天堂ゲームキューブ『ギフトピア』にも楽曲提供。
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PsysEx(サイセクス)
比叡山延暦寺や浄土宗総本山知恩院などの大寺院にてアンビエントを演奏し「BRUTUS」誌上他でも紹介され注目を集める京都の電子音楽研究家・糸魚健一のユニット。自らも京都の若手アーティストを発掘し紹介する「shrine」
を主宰し実験的な音楽を発表し続けている。涼音堂の星憲一朗とは90年代半ばより京都METROにてアーティストとして共演する等古くから親交が深く昨秋遂に1st『Polythm_sysetm Exclusive massage』を発表。NYの12Kからも作品の発表が決まっている。
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OKI
カラフトアイヌに伝わる弦楽器トンコリの奏者。ダブ、レゲエ、ロックの手法を消化しつつアイヌ伝統音楽の世界を色鮮やかに再生させ、国内外で注目を浴びる。世界各地の先住民系アーティストとの交流も深く、本作に収められているのはスイス国営ラジオ局におけるシベリア・チュクチの女性オルガとのコラボレート作。
http://www.tonkori.com
Kazumasa Hshimoto
5才でピアノを初め、クラシックをルーツにもつ彼は、最近のworld's end girlfriendのアルバムにもピアニストとして参加。またマスタリング・エンジニア として、イトウ・ヒデノブ氏の作品を始め、様々なレーベルのものを手掛けている。また現代音楽家ゴトウ・ヒロミとのコラボレーションで演奏、作曲、映像担当として 活動するなど、マルチな展開を見せている。年4月propより1st『YUPI』リリース。
石川貴史
少年時代からクラシック音楽に親しんでいた彼は15歳でサクソフォーン奏者としての修行を開始し、1996年、故三室戸貴光記念奨励賞受賞。しかし突如としてシンセサイザーやコンピュータを使った音楽制作を開始する。2000年、橋本和昌と共に「BEAUTIFUL DESIGNS」、そして、星憲一朗、竹村理明(cinq)と共に「snoweffect」を結成。また、サクソフォーン奏者としてworld's end girl-friend(noble)等のアルバム、ライブへの参加等、ある時はクリエイターそしてプレイヤーとして様々な活動を行っている。
Oriental Homeward(オリエンタル ホームワード)
広島県在住の桑原美樹によるソロプロジェクト。サティやドビュッシーを敬愛する彼は、他に類を見ない独特の清涼感を持ったオーケストレーションアレンジにより非常にピュアな作品を生み出している。
Firo(フィロ)
埼玉在住の塚越寛之によるソロプロジェクト。サンプリングや生楽器、電子音などのさまざまな素材の徹底的な加工/編集から、緻密かつ屹立したサウンドを作り上げる。多ジャンルの音楽に影響を受けた自分+コンピューターを一種の通過装置/フィルターととらえ、そこを過ぎる音たちの偶発的生成や軋轢の行く末に耳を傾け、形を与える。
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Exotic Modulation Sky(エキゾチック モジュレーション スカイ)
1997〜2000、幾つかの音響ユニットで活動していた小林トモヒロ(effects,mixer)のソロ名義として2000〜「渾然とした風情の音像化」をコンセプトにコラボレーション・制作などキャリアをスタートさせ、ライブでは空間との絶妙なエフェクトバランスでしなやかで幽玄なアンビエンスを演出する。
鬼隠(きおん)
酒井健志(さかい たけし)1980年生まれ、名古屋市在住。東洋を意識した音創りと、絵画のcubismを独自に解釈し音を組み立てる。同名義でのバンドスタイルの活動も行い、この "芳香" はバンドスタイルでの曲「pilgrim」のアンビエントミックス。
Medicine Quartz(メディスン・クオーツ)
お茶、アイスクリーム、森林浴、と幅広いモチーフで各々のテーマを一枚のCDに仕上げるMist Mintのシリーズをはじめ、独自のスタンスで宮城県から美しい観光音楽を発信。首都圏に拠点を移し自らのレーベルMist Mint Discsでラウンジとアンビエントを中心に活動。
http://www.mistmint.com
稲荷
田添貴之によるユニット。自ら「狐レーベル」にて音楽を発表し続けている。
オンガク
グラフィック・デザイナーのカトウミキオのソロ・プロジェクト。アルバム『合気道EP』『ASIAN POLYRHYTHM DANCE』リリース。コンピレーション『GARDEN PATH』『TOKYO』参加。東京都汐留の電通本社ビル「カレッタ汐留」商業施設館内BGMを担当。サワダユキコ、ナカムラシゲルとのユニット「ハニー・マニー」にても活動中。
http://www.polyrhythm.com
中毒する音楽。中毒するお茶。 音楽に茶を求める人は無能なるが一能なり。独座観念。
今年の小学校の夏休みの宿題には読書感想文ならぬ、涼音感想文を提案。90年代生まれのみずみずしいメッセージを我々は切に受けとめたい。
アイヌのトンコリ奏者 OKI 氏参加など、ワタシ的に書くことがありそうではあるが、そこは別の方に譲り、特定の曲に絞って、“私的な極論”を展開してみる。 hypericum/hepricum(ヒペリカムって言うのだね)のこの曲。1980年代 学生時代芝居で音響さんみたいなことをやってた当時聴き込んでたフリップ&イーノの「EVENINT STAR」。当時だから、LPでね。1曲がとても長いんだ。hypericumという曲を一聴した瞬間に全部想い出しちゃったワケなんだな。音の記憶のフラッシュバックだね。なんともやるせない女性ヴォーカルが、張り上げられ、左右に分かれた、一種輪唱が始まり、それで終わっていくんだけど。それが実に脳ミソに心地よく響いて、もうなんというか、「EVENINTSTAR」なんだよ!う〜〜ん、もうヤラれちゃいました。hepricumって、資料ほとんどないんでわかんないだけど、若いんでしょきっと?古いイーノとかって知ってるのかな。きっと偶然だと思うんだけど、スゴイよね。まさにハマってしまったって感じ。ぜひお試しあれ。
涼音堂茶舗さんの新作コンピは、全く“らしい”真摯な音。どこから聴いてもヒンヤ〜リ。だけど金太郎飴状態ではなくて、いろいろ風景が変わります。いわば北方の車窓から。エレクトロニカ?アンビエント?意外とこれってポスト・カフェアプレミディなのかも。吹雪、大雪、雪崩、オーロラもあり。白熊たちもほっとする。というか襟を正して座禅組んじゃう、かもよ。
堅いのに緩い、緩いのに堅い。